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・臨新
新羅は街中を歩く時、ポケットには必ずメスを忍ばせていた。闇医者と言う職業なのでという言い訳は寸前に後ろから聞こえてくる声で、見事に崩壊したのだが。後ろからは自分を呼ぶ少々高めの声が、勢いよく近づいて新羅は同時にメスを勢いよく後ろに持っていく。「あっぶな、」臨也は鼻のあたりに持って来られたメスを見つめて愉快そうに微笑んで「今日も可愛いね」と目を細める。新羅は邪険の表情でそのメスをポケットにしまって、臨也を鼻で嗤った。この男の所為で自分は白衣をずっと着なければいけないのだ。
・臨新
この手の中にあるこれは、一体なんでしょーか。臨也は心底楽しそうに厭らしく笑い、目の前で目を見開きながら冷や汗を流してる新羅を見下しながら右手に持っている赤いそれを強く握った。新羅の瞳に映るそれは赤く、円状でよく犬がしている首輪だ。理解できないと新羅は大きな黒い目でそれを凝視しながら、臨也を見つめる。臨也は新羅の髪を掴むと右手の首輪を新羅の細い首に掛けて「犬は犬らしく、大人しくしてようね」と、ぎらぎらとする獣の眼で鉄のコンクリートの塊のような部屋に、捉えた小さな犬に笑い掛けた。
・静新
静雄は天井を仰ぎながら、ソファの下で暴れる新羅を押さえつけていた。歪なその空間にただただ黒いソファがぎしぎしと嫌な音を立てている。激しく抵抗する新羅の饒舌な口を抑えて静雄は首を鳴らした。「まあその、なんだ」静雄は抑える手を強めて空いた手で頬を掻く。「お前が悪いんだよ」と頬を掻いていた手で首元を抑えた。潤む視界の中で新羅は先程静雄が言った告白まがいの言葉を思い出して、瞳を瞑った。これからされるのは人として男として全てを無に還される行為だ。
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