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蛙の生肉、鳥の骨、生物の臓器。物騒なものが揃っている生物部の教室に二人は互いに背を向けながら、口内新聞の様なものに取り掛かっていた。其れらしい理論を並べるだけで成立するその文にただただ向かっている。
後ろで臨也は「ねえ、もし俺が君を好きだとしたらどうする」と問うと後ろで新羅がペンを置いて「気持ち悪い冗談を言うんだね、うん迷惑だよ」と言うと臨也は肩を竦めてそうかと頷きペンを動かして行く。黒板に書かれているテーマに沿った文を書きながら、臨也は本気なのになあと笑った。
「冗談じゃないとしたら?」
すると新羅は臨也の背中を見つめて真剣に「じゃあ、死んで見て」
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「仮に君が僕を好きなら、君に死んでもらわないと困るよ。僕の愛しい人との時間を人生を誰かに壊されるのは嫌だからさあ。だからね臨也、冗談でもそう言うと僕は君を殺す為に思考錯誤するよ、だって僕の世界に居るのはセルティだけでいいんだから」「じゃあ新羅、もし君が俺を好きだとしてその人も好きだとしたら、君はどうするんだい」「・・・馬鹿だね臨也、この世界に『もし』なんてないよ。でも『もし』そうだとしたら、僕は君を殺すよ」「そこでも?」「だって、男となんて気色悪いだけじゃないか」
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酷い男だね、と言うと新羅は目を細くして笑いながら臨也にペンを向けた。「文出来たよ」「へえ、早いね」「いや、臨也の話が面白かったから」そう無邪気に言う新羅に臨也はゆっくりと立ち上がり眉を下げて「死んでみようか」と言うと、新羅は驚いた顔をしてすぐに笑顔に戻った。
「助かるよ」
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