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ごみ

太子は書物を読みながら、黒髪をはためかせた。監禁されたようにただただ個室の部屋は、積み上げられた書物と机と飲料だけで空は快晴なのだろうか、障子から光が漏れている。太子はそれに目を通しいると襖がゆっくりと開き、見えたのは太陽を背に大きな体を持った個室に入れた張本人――――徳川家康だ。
「太子殿、ご気分は如何か」
「・・・堅くならなくてもいいよ、そうだなあ、外に出たい」
太子は開けられた襖の、家康の背の向こうにある庭を見て呟くと家康は困ったように眉を下げて申し訳なさそうな声色で言った。
「ここじゃ貴方は有名過ぎる」
「・・・・誰も聖徳太子とは思わないと思うけれど」
「・・・貴方がその服を着ている以上、この時代の者とは思えません」
家康の言葉に太子は肩を竦めて小さくそれもそうだね、と言った。家康は襖をしめて太子の近くに座ると先程より一層申し訳なさそうな顔をして、手にしていた書物を太子に手渡した。太子はそれを受け取り一度目を通すと厳格な顔をして目の前の家康に目を向ける。
「・・・・さて、これをどうして欲しいの」
「・・・智慧をお借りしたく存じます」
太子はその言葉に眉に皺を寄せてはきはきとした声で言った。

「私が策を施すのなら講じ、弄し、貴公を勝たせて見せましょうぞ」

――――
太子ではなくなったので没。そっちかと言うと「太子殿、どうして貴方はいつもいつも外に出るんですか!」「出たいから!」「弱いんですから引っ込んでて下さい!」「地味に酷くない!?」だと思います。
敬語を使う家康が見たかっただけです。もっと軽いノリの二人を次は書きたい。
 

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