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シズイザ


臨也は静雄が大層嫌いだったので、静雄の飲み物に大量の睡眠薬仕込ませて静雄の死を願ったが失敗に終わり次よ次よと食べ物に毒を忍ばせるけども杞憂に終わった。どれだけ慎重に仕掛けても静雄は自分の予想斜め上を行って行く。畜生と臨也は悪態を零し、今か今かと殺せるタイミングを計り続けた。

臨也は新羅と食事をしながら静雄を殺す方法を入念に考えたが、どれ程考えても結論は出ない。臨也は焦る自分を隠すかのようにあいつはいけすかない、と歯を見せながら笑った。新羅はその様子を見ながら溜息を吐いて飲食店から立ち去る臨也の後ろ姿を見つめる。殺す方法なんて考えないに決まっているじゃないか。だって君等は当の昔に恋人になってるんだから。数年前からその事実を認めない臨也の整った顔を思い出しながら、本日二度目の溜息を吐いた。



静雄は臨也を抱き締めてみると自分の身体はがたがたと震えて、静雄は等々この時が来たかと自分の人生を振り返った。臨也が自分を嫌いだというのは知っていたし何度か殺されかけもした。いつ忍ばされてるか分からない毒に怯え、最近では食事もきちんとに取っていなかったから痩せ細っている。想像もしていなかった。――――まさか臨也の唇に、毒が塗られてるなんて。最後にお前とキス出来て良かったよ、と考えた時静雄はその場から崩れた。


泣くくらいならやらない方がよかっただろ、と新羅は呆れながら臨也を見下した。すると臨也は透明な涙を流しながらうんそうだねと適当な相槌を打って、唇に踏んだんに付けられた毒を舐め取ってそのまま病室で瞳を閉じた。新羅は目を見開いた後病室で倒れる二人の男を見てまるで悲劇のロミオとジュリエットの様だと、毒を吐いてナースコールを押した。

最愛と棺が二つ

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