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超絶☆プリチーカズン
「まじ可愛いんだべ?俺の従兄弟。本当にまじで可愛過ぎて全然目に入れても痛くないくらい滅茶苦茶可愛いんだぜ」
そう熱弁する臨也の横には、少し呆れている門田とあんまり興味が無さそうな静雄が、小学校の校門前にいた。静雄は「可愛い三回も言ってんじゃねえか」と言うと、ご機嫌な臨也はそれさえも耳に届かないのか、下校中の生徒がこちらを見つめる痛い視線を感じながら、臨也は一人の生徒を見てその足を速めた。
「新羅!」
「あ、いざにいっ」
小学になって間も無いその新羅と呼ばれた少年は、くりくりとした団栗の様な目を臨也に注ぎ、臨也はそれはもう土砂崩れの様な甘い顔で新羅を抱き締めている。呆然としている二人に、臨也は新羅を抱きかかえるとにんまりと笑った。
「こいつ、俺の従兄弟。ちょっと訳ありで、俺と一緒に暮らしてるんだよ。ねー新羅」
「うんっ」
二人は臨也の初めて見るその表情に若干引き気味だが、臨也に抱えられた新羅に目を奪われていた。小さな体を動かしながら、大きな目で此方を見て来る。
「ほら新羅、挨拶して」
そう言うと新羅は臨也の服の襟首を掴みながら、恥ずかしそうに小さな声で「はじめまして、きしたにしんら、七さいです」というと、臨也は頭を撫でた。
「確かにかわいいな・・・」
静雄は新羅を抱こうとすると臨也は「ぜっったい離すなよ。ぜっったいだからね」と名残惜しそうに新羅を放した。
「初めまして、俺平和島静雄」
「・・・っ、しずお?」
「~~~~!!」
静雄は顔を赤く染めながら堪えるように口を抑えると、先程の臨也と同じように顔を歪ませている。頭を撫でるとこそばそうに動く新羅を門田と臨也は眺めていた。
「あんな笑顔見てると、まだ小さいあいつの目の前で私はいらないとか金はどうなるんだとか、知らないとかかわいそうでしょ」
確かに、と門田は何となく分かった二人の関係を感じながら抱きかかえられている新羅を奪う様に抱える。
「初めまして新羅。俺は門田京平」
「きょーへい、!」
門田には弟が居る為扱いにも慣れており、乱暴に新羅の頭を撫でると優しく笑った。
出会いから三ヶ月、三人は新羅にでれでれである。小学校が終わるたびに出向く為、美麗であり金に物を言わせる三人は曜日が変わるたび別々に迎えに行くのが日課になっていた。天気は快晴高校生三人は授業を放り、新羅が小学校で初の運動会を行っている。
「やっべ、いまの見た?まじ可愛くない?」
臨也は豪華に積み上げられた料理を頬張り、静雄は均等に切り分けられた具材が一つ一つ高そうなものを口に含み、門田は走っている新羅の様子をカメラに納めている。
「はー。走ってるだけでこんなに可愛いのによ、演技に入ったらマジ俺死ぬかも」
「勝手に死ね。あれだろ、某夢の国の踊りすんだろ?」
「うん、手袋着てね・・あー!ドタチン、今のちゃんと撮った?畜生ックラスメイト風情が俺の新羅に触りやがってっ!」
「てめえは一度死ね。お前ら、新羅の料理残してんのかよ?」
「「もうばっちり!」」
「そうかよ・・・」
門田は一人脱力しながら、新羅の行動を観察するように追っている。クラスメイトが新羅に触れる度に悔しそうな声を出す臨也に呆れながらからあげを摘まんだ。
「おっ、新羅こっち来たぞ」
「かわいー、新羅・・・かわいいいいいい!」
新羅が手を振って来るのを臨也は凄い速さで返し、静雄は鼻を押さえて何かに必死に耐えるように身悶えた。
「お前ら・・・、お、次五年生か」
「やってらんねー」
「興味ないー」
「失礼にも程があるわ!」
門田が盛大な溜息を吐くと、そこで周囲と自分達の距離を認識して顔を青ざめさせた。そして横に居て顔を赤くしながら怒っている自分達の担任教師を目が合うと、臨也と静雄を起こして即座に逃げ回った。
「やっべ、あいつ来てんのかよ!」
「めっさ早いめっさ早い!」
「いいから逃げるぞ!」
そうやって逃げる回っていると、生徒の母親である人の話が聞こえて門田は走りながら頭を抱えた。「リアルF4だわ」「私はあの子、先頭の子が凄い好みなの」そういう母親たちの声を聞こえてか、臨也はとても良い笑顔で「俺達F4なら残り一人誰だと思う?」と言うので、一発殴りながら走っている。静雄は何度か後ろを確認しながらクラスメイトと仲良く言い笑顔で話す新羅を見ると、また鼻を押さえた。
「お前新羅と出会ってから鼻血出すの多くね?」
「だってまじ可愛いし・・・」
「つか先生っめっさ早いめっさ早い!め早男!」
「「め早男!?」」
そうして校内を五周は走り、在校生徒より目立ったOB達だったと言う。
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